Live Schedule

2017年8月1日火曜日

イベント主催することの難しさよ...

隅田川花火、今年は天候不順で大変なことになったみたいで...。
天候という、どうにもならないものに左右されてしまう「屋外イベント」の難しさを再認識。
 
今年の春、私は予定していた屋外での主催イベントを雨のため急遽中止した。
関係各位にはたくさんご迷惑をおかけしてしまったけれど、結果的に中止にして正解だったと思う。
中止の理由はただひとつ。(場所は一応雨よけのある場所で、やってやれないことはないレベルだった。)
現場に行ってみて、ビニール製の天井に当たる雨音。
これはメインアクトのミュージシャンの繊細な音楽を聴かせる環境ではない、と思ったから。
演者が実力をきちんと発揮できる環境でなかったら、ライブはするべきではない。
なぜならお客様の中には、そのライブがその演者を聴く初めてのライブ、という方もいる訳で、その1回のライブ環境が良くなかったせいで演者に対する評価が決まってしまう場合もあるから。
そういう考えで中止する決定をしました。
 
夏の屋外イベントは、尚更に大変だと思う。
 
まず第一に、当たり前だけど「暑い」。
今年、幾つかの屋外ライブを聴きに行って感じたこと。
春先頃に「夏になったら屋外でビール飲みながらライブ聴けたら最高だよね〜」と思って企画しても、いざその季節が来ると、日中に屋外に居ること自体がつらいくらい暑い事もあるし、ましてそこで演奏したり歌ったりなんて修行に近い、ということも往々にしてある。
演者や聴衆の健康を保証できないイベントって、ちょっと問題がある気がする。
聴衆は本当に辛ければ、帰ればいいけど、演者はそうはいかない。
そして演者はその1本のライブだけじゃなくて次の仕事とかもある訳で。
万一にその会場環境の悪さが原因で次の仕事に支障がでたら、演者本人にも次の仕事の関係者にも迷惑をかけることになる。
美術館が、他所から借りてきた美術品の展示環境を整えることと同じように、ライブイベント主催者には、演者が健康を害さないで演奏できる環境を整えておく義務がある。
それができないなら主催するべきではないとすら思った。
 
そして夏は特に突然に雨が降り出す。
演奏開始した時は大丈夫でも、途中から激しい雨が降り出すこともある。
そのときステージに屋根がなかったら?
借りてきた PA 機材や、演者の楽器、どれも普通は水に濡れたらまずいものばかり。
 
...とか色々考えているとね、もう屋外イベントなんか企画できないなぁ、というのが最近の思いです。特に私がやりたいような、音そのものと向き合うようなライブは。
 
あと、会場を選定したりレイアウトしたりするときの私の考え。備忘録的に。
 
まずは一にも二にも音環境。
生音の場合は、残響が長過ぎないか、またデッド過ぎないか。 
広い店舗の場合には、後ろまでちゃんと聞こえるか。
そして、演者やお客様の集中力を削ぐような音が聞こえないか。(以前にすごく良い空間だったけれど、上階の水を流す音が頻繁に聞こえるという理由で、使わせていただくのを断念した場所があります。)
 
それから、席の並び。
客席は縦長になってるほうがいい。
L字型とか横長だと、演者がどの方向に向かって演奏するかが定まらない。
 
そして結構気を使うのが、出入口とお手洗いの場所。
出入口やお手洗いへのアクセスがステージのすぐ真横にあるのは、かなり NG だと思ってます。
お客様にはできれば演奏開始時間までに来てもらいたいけど、そうはいかないそれぞれの都合もある訳で。
遅れてきた人がステージの真横を通る形というのは、演出上も良くないし、お客様本人も気まずい。
お手洗いだって行きにくい。

普段、ライブをやらないお店などで「うちでもライブやって欲しい〜」って、好きなアーティストを呼ぶお店ってあるけど(そしてそういうのって演者にとってはとても有難いお話であることは間違いないけれど)、芸術性の高い人を呼ぶときほど、この辺りのこと、自分のお店は対応可能か考えて欲しいなぁ、と思います。
 
最初に書いたみたいに、その1回のライブで演者に対する評価が決まってしまうケースもあるのだから。
 
 

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